Welcome to Stockholm

水の都、
ストックホルムへ ようこそ

2010年、夏。スカンジナビア航空〈SAS〉はコペンハーゲン・カストラップ空港〈Københavns Lufthavn, Kastrup〉を経由して、ストックホルム・アーランダ空港〈Stockholm Arlanda Airport〉へ到着。ついに、森と湖の国スウェーデンにやって来た!
あの水色と黄色の十字の国旗。デンマークよりもひんやりと冷たい空気。夜の9時半だというのに空はまだ明るい。 北のラップランド・キールナでは夏のあいだ日が沈まない白夜がつづくという。アーランダ空港から黄色の特急列車に飛び乗って、ストックホルム中央駅へ。

森へ帰る子供ように、忘れかけていたものを見つけにゆきます。
世界でいちばん美しい水の都、ストックホルムを訪ねて。

2010,2013 Photo & Text_Scandinavian fika.

Welcome to Stockholm

北国の少女

デンマークのコペンハーゲン・カストラップ空港〈Københavns Lufthavn, Kastrup〉でスカンジナビア航空〈SAS〉の小型機に乗り換え、ストックホルム・アーランダ空港〈Stockholm Arlanda Airport〉まで約70分のフライト。夜の便だったせいか乗客も20名ほど。半分以上は空席で、日本人は自分ひとり。
はじめての北欧旅行。はじめての海外一人旅。日本からの長時間のフライトと時差ボケ、不安と緊張で体はもうぐったり。ストックホルムに着くまで少しでも眠っておこうとまぶたを閉じると、どこからかクスクスと笑い声が……
見上げると、前の座席からひょっこり顔を出したブロンドの幼い女の子が! 東洋人が珍しいのか、こちらが眠ろうとすると「Hej!(ヘイ!)」とちょっかいを出してくる。お人形のようなつぶらな瞳。か、かわゆい……。
スウェーデン語で「Hej!(ヘイ!こんにちは!)」と返すと、ふふと笑って「KEX!(ケックス)」と小さなチョコをくれた。
「Tack!(タック!ありがとう!)」といって、黄色いパッケージのチョコウエハース〈KEX〉 をひとかじり。サクサクで甘くて、初めて食べるのに、なんだかなつかしい味……心と体がすーっと、チョコのようにやさしく溶けた。
北欧の空の上で、はじめて心を交わしてくれた少女。北国のあたたかいもてなしに感謝しなければ。

Welcome to my hometown!

バルト海に面し、国土の半分が自然のままの森林におおわれた森と湖の国 スウェーデン〈Sweden〉。着陸の機内アナウンスが流れ、窓の外を見ると、バルト海と針葉樹の森。スウェーデンの雄大な自然が広がっています。夜9時を過ぎているのに、夕方のように明るい白夜。
ストックホルム・アーランダ空港に着陸し、SASの機内を降りると、空港ゲートからスウェーデン出身のレジェンドたちが私たちを出迎えてくれます。グレタ・ガルボ、イングリット・バーグマン、ABBA……ウェルカムボードに「Welcome to my hometown!」の言葉が!
極東の小さな国から一人でやってきた私に、こんな盛大な歓迎が待っているとは!とにかくうれしくて、レジェンドたちに小さく会釈していきました。
気づいたら、入国審査もなく出口へ。シェンゲン協定というのがあって、最初の国(デンマーク)で入国審査をすれば、他の北欧諸国で入国審査は必要ないとのこと。初めてだったので、これにはびっくり。

【追記】
スウェーデンのストックホルム・アーランダ空港は、デンマークのコペンハーゲン・カストラップ空港〈Københavns Lufthavn, Kastrup〉や、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター空港〈Helsinki Vantaa Airport〉よりも小さな空港です。2019年現在、日本からスウェーデンへの直行便はないため、コペンハーゲンやヘルシンキの空港で乗り継ぎをして、ストックホルム・アーランダ空港へ向かいます。

2010年の初めての北欧の旅ではスカンジナビア航空〈SAS〉を利用しましたが、それ以降はずっとフィンランド航空・フィンエアー〈FINNAIR〉を使っています。どちらの航空会社も北欧らしくデザインが素晴らしいです!SAS は機内食が特に美味しくて、FINNAIR はマリメッコのアメニティが魅力。

スウェーデン・ストックホルムへの飛行機の乗り継ぎなら、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター空港の方がスムーズでわかりやすくておすすめです。南スウェーデンのスコーネ〈Skåne〉地方やマルメ〈Malmö〉へ行くなら、コペンハーゲン・カストラップ空港で飛行機を降りて、空港から電車でスウェーデンへ入りましょう。

Klara Kyrka

アーランダ・エクスプレス

アーランダ空港・ ターミナル5から、ストックホルム中央駅までのアクセスで最も早いのが、黄色い特急列車 アーランダ・エクスプレス〈Arlanda Express〉。空港から直行で20分。ストックホルム中央駅〈 Stockholm Central Station 〉へ到着します(スウェーデン版・成田エクスプレスのような電車。座席も大きくて快適でした)  
北欧の列車を利用してちょっと戸惑ったのが、ほとんど改札がないこと!いきなりホームで、すぐ乗車です。慌てて乗る前に、黄色い販売機でチケット購入を忘れずに!(コペンハーゲンでは車内で車掌さんは見かけませんでしたが、アーランダ・エクスプレスはチケットチェックがありました)
アーランダ・エクスプレスのチケットは、イエロー&ブラックのデザインがかっこいい!帰国しても大事にとってあります。

Stockholm Central

ストックホルム中央駅

ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station / Stockholms centralstation〉は、北欧諸国の交通の拠点ともなっているスウェーデン最大のターミナルです。中央駅前には高さ116メートルのクララ教会〈Klara Kyrka〉がそびえ、駅の正面にはスウェーデン鉄道の功労者ニルス・エリクソン〈Nils Ericson〉の像が建っています。
中央駅は、デンマークのコペンハーゲンやノルウェーのオスロまで走っている X2000 鉄道やアーランダ・エクスプレスが到着する ストックホルム中央駅と、地下鉄〈T-bana〉の「T」のマークが目印の地下鉄中央駅 T-セントラーレン〈T-CENTRALEN〉の2つがあります。
ストックホルム市内観光は地下鉄、バス、トラムが便利です。地下鉄の路線は中央駅〈T-CENTRALEN〉を中心にグリーンライン、レッドライン、ブルーラインの3本にわかれていて、すごくわかりやすい。市バスは、赤バスか青バス。路線図も赤と青に色分けされていて見やすいです。
ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉か、歩いてすぐのセルゲル広場〈Sergels Torg〉に行けば、観光地へ向かうほとんどのバスやトラムが走っています。

白い外観と吹き抜けの天井のストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉の構内は、思っていたよりも広かったです!
地下通路でつながっている地下鉄中央駅 T-セントラーレン〈T-CENTRALEN〉。
空港直行のアーランダ・エクスプレスが発着するエクスプレスターミナル。
コペンハーゲンやオスロ、ダーラナ〈Dalarna〉スコーネ〈Skåne〉などスウェーデンの各地を結ぶ鉄道の乗り場となっている SJ(スウェーデン鉄道)のターミナル。
ゴットランド島〈Gotland〉行きのフェリーの発着場となっている港町 ニュネスハムン〈Nynäshamn〉への長距離バスの乗り場(2階バスターミナル)。
そして、チケット売り場や観光案内所、キヨスクやショップやフードパークのある1階フロアと、各エリアがわかれています。迷子になってしまわないように、出発の際は早めに到着して乗り場を確認しましょう。
わたしは何度も迷ったり、慌てて買い物をしてクレジットカードをキヨスク〈Pressbyrån〉に忘れてきたりしています。英語が苦手。方向音痴。おっちょこちょい。こんなわたしでも何とか乗れたから、きっと大丈夫。でも、心の準備は大切です!

橋でつながった島、ストックホルム

スウェーデンの首都ストックホルム〈Stockholm〉は、14の島から成る水の都。「世界で最も美しい古都」「北欧のヴェニス」と称えられています。
ストックホルム〈Stockholm〉の歴史は、13世紀半ばにガムラ・スタン〈Gamla Stan〉に砦が築かれたところから始まります。 「ストック」とは丸太を、「ホルム」とは橋でつながれた島を意味するそう。郊外を含めると24,000もの島からなる群島の都。島から島へ、船に乗り、橋をつなぎ、この美しい街は形づくられています。
緑豊かなユールゴーデン島〈Djurgården〉や、絶景の小さなシェップスホルメン島〈Skeppsholmen〉。 中世の街並みが残るガムラ・スタンから橋を渡れば、アーティストや文化人が好んで住むセーデルマルム島〈Södermalm〉。中世の面影だけでなく、ストックホルムには、モダンでスタイリッシュなスウェディッシュ・デザインがあふれています。
島の数ほどにちりばめられた、スウェーデンの美しさ。それは、人と自然の調和。文化遺産とモダンアートの調和でもあります。

ストックホルムパスとトラベルカード

【追記】
ストックホルム観光案内所〈Stockholm Tourist Center〉は、ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉の構内(1階)にインフォメーションデスクがあります。まずは観光案内所で、メトロ・バス・トラムの路線図が入ったシティマップをゲットしましょう。

ストックホルム観光におすすめなのが、ストックホルムパス〈Stockholm Pass / 旧ストックホルムカード〉と、地下鉄・バス・トラムなどストックホルムの公共交通機関の乗り放題になる SLのトラベルカード〈Travelcard〉。観光案内所や中央駅のキヨスク、ホテルなどでも購入できます。
ガムラ・スタンのストックホルム王宮やノーベル博物館、ユールゴーデン島のスカンセン野外博物館やヴァーサ号博物館や北方民族博物館など、人気の美術館や博物館をたくさん見学したいなら、ストックホルムパス〈Stockholm Pass〉がお得です。1日券〈24時間有効〉から5日券まであります。

ストックホルムパス〈Stockholm Pass〉
(2020年現在)1日券/ 719 SEK、2日券/1019 SEK、3日券/1250 SEK、5日券/1619 SEK
※トラベルカードを追加することもできます。 

わたしは風景の写真を撮るのが好きで屋外の観光が多いので、いつもトラベルカードを使っています(日本の Suica や PASMO みたいに、改札でピッとやるICチップ付チケット)

SL トラベルカード〈Travelcard〉
〈2020年現在〉24 時間券/155 SEK 、72 時間券/310 SEK、7日券/405 SEK

Stockholm

Sweden

ストックホルム

アクセス
ストックホルム・アーランダ空港から
アーランダ エクスプレスで
ストックホルム中央駅〈Stockholm Central Station〉
直行で20分。 

Visit Stockholm
www.visitstockholm.com

ストックホルム・アーランダ空港
www.swedavia.com/arlanda

Gamla Stan

ガムラ・スタンと
ストックホルム王宮

ストックホルム発祥の地
ガムラ・スタン


NEXT STORY

RELATED STORIES