Djurgården

ユールゴーデン島へ

14の島から成る水の都ストックホルムに訪れたら、島から島を渡って、いろんな場所から古都の美しい景色を眺めましょう。
13世紀に築かれたストックホルムの発祥の地ガムラ・スタン〈Gamla Stan〉の石畳の小路を抜けて、シェップスブロン埠頭まで。ボートに乗ってノール運河を渡り、小さなシェップスホルメン島〈Skeppsholmen〉を通って、ミュージアムとテーマパークが集まるみどりの島、ユールゴーデン島〈Djurgården〉へ。

古いものと新しいもの、都会と自然が寄り添うような島が、この国にはあるのです。

2013 Photo & Text_Scandinavian fika.

Djurgården

旧市街 ガムラ・スタンから

ミュージアムやテーマパーク、ショップ、レストラン・カフェなど観光スポットが集まるユールゴーデン島〈Djurgården〉は、初めてのストックホルム旅行ならぜったいに訪れてほしい楽しい島。島といっても、エステルマルム地区〈Östermalm〉と橋でつながっているので、中央駅や王立公園から7番トラムにのって気軽に観光することができます。
2度目のストックホルムの旅では、ユールゴーデン島へ水上バスの遊覧船に乗って行くことに決めました。

まずは中央駅からヴァーサ橋を渡って、ストックホルム発祥の地、ガムラ・スタン〈Gamla Stan〉へ。13世紀に築かれた旧市街は、中世の面影が残る美しい街。2度目の訪問でもまったく色褪せることはありません。ガムラ・スタンにそびえる大聖堂〈Storkyrkan〉を目印に、迷路のような石畳の路地を歩きます。

ストックホルム王宮〈Kungliga Slottet〉で衛兵交代式を見てから、大広場〈Stortorget〉のカフェ・コッペン〈Kaffekoppen〉でフィーカして、ノーベル博物館〈Nobelmuseet〉で金メダルのアイスを食べて……とあれこれプランを立てたのですが、どこへ行っても、人!人!人!
ストックホルム一狭い路地、幅90cmのモーテン・トローツィグ・グレン通り〈Mårten Trotzigs Gränd〉は順番待ちの人であふれてました!
観光名所であふれるガムラ・スタンですが、のんびり石畳の小路を歩きながら、中世の美しい街並みや可愛いショップを見てまわるだけでも楽しめます。冬に大広場で開かれるクリスマスマーケットもとてもきれいだとか。

船でユールゴーデン島へ

旧市街ガムラ・スタンを散策したあとは、地下鉄スルッセン〈Slussen〉駅近くのシェップスブロン埠頭〈Skeppsbron〉から、水上バス〈フェリー〉に乗ってユールゴーデン島〈Djurgården〉へ!
水の都ストックホルムの運河クルーズが味わえる水上バスは気持ちよくて最高です!シェップスブロン埠頭を出発したフェリーは、セーデルマルム〈Södermalm〉の写真美術館フォトグラフィスカ〈Fotografiska〉の前を通ってノール運河を渡り、現代美術館〈Moderna Museet〉があるシェップスホルメン島〈Skeppsholmen〉から、ミュージアムやテーマパークでにぎわうユールゴーデン島へ向かいます。子供たちに人気の遊園地グレーナ・ルンド〈Grona Lund〉が見えてきた!

Rosendals Trädgård

ローゼンダール・ガーデン

ユールゴーデン島へどうしても訪れたかった理由は、この素晴らしいガーデンにあります。ローゼンダールのお城のお庭という意味のローゼンダール・ガーデン〈Rosendals Trädgård〉。りんごの木が生い茂る「都会のオアシス」。市民の憩いの庭園です。森があり、花があり、果樹園やハーブ園、野菜畑や小麦畑があって、温室を改造した素敵なオーガニックカフェやプランツショップ、ベーカリーと雑貨のお店ブティーケンがあります。
2010年につづった「夏のローゼンダール・ガーデン」の旅日記はたくさんの人に見ていただくことができました。「北欧雑貨をめぐる旅」の中でおさだゆかりさんに教えてもらったこの場所を、もっと多くの方に知ってほしいと願っていたので嬉しいかぎりです。
もちろん今回(2013年)もローゼンダール・ガーデンを訪れ、りんごの木の下でランチしました。ここでは、特別なことは何も起こりません。ただ自然に寄り添うように、のどかであたたかい1日を楽しむのです。

動物の庭とユニバッケン

「動物の庭」という意味を持つユールゴーデン島は、美しい自然が残るみどりの島。ユールゴーデン島へはフェリーだけでなく、王立公園〈Kungsträdgården〉から水色の7番トラムに乗っていくのもおすすめです。 ユールゴーデン島には、おもしろいミュージアムがたくさんあります!もし、小さなお子さんと一緒なら、トナカイやヘラジカに会える世界初の野外博物館 スカンセン〈Skansen〉はぜったいに外せません!
博物館と動物園が一つになった広大なスカンセンは1日あっても周りきれないほど。大人も子供も楽しめること間違いなし!(※年中オープンしていますが、季節によって開園時間と入園料が異なります)

島の北西にあるユニバッケン〈Junibacken〉も、小さな子供を連れて行きたいスポット!ユニバッケンは「長くつ下のピッピ」を描いたアストリッド・リンドグレーン〈Astrid Lindgren〉の世界が体験できるミュージアムテーマパーク。人気のストーリーブックトレインに乗って、おとぎの世界へ出発!子供と手をつないで、リンドグレーンの物語を旅しましょう。

Nordiska Museet

北方民族博物館とヴァーサ号博物館

ストックホルム中心地から、ユールゴーデン島のユールドート橋を渡るとすぐに、ルネッサンス様式の宮殿のような博物館が見えてきます。スカンセンの創設者アルトゥール・ハゼリウス〈Artur Hazelius〉が、1907年に開館した北方民族博物館〈Nordiska Museet〉には、16世紀から現代までの衣服や織物、家具や農具などが展示され、スウェーデンの伝統的な暮らしや手仕事の技を見ることができます。

北方民族博物館の近くには、人気のヴァーサ号博物館〈Vasamuseet〉もあります。1628年に処女航海に出て、わずか数100mで沈没したバルト海最大の戦艦ヴァーサ号。1961年に海に沈んだ船を引き上げ、史上最大のジグソーパズルと呼ばれた沈没船を復元。戦艦ヴァーサ号を見事によみがえらせたのです。300年以上も海底に沈んでいた船が美しい状態のまま残っていたのは、バルト海が塩分濃度の低い海だったからだとか。美しい装飾が施された豪華な戦艦は必見!

Oaxen Krog & Slip

OAXENとABBAミュージアム

2013年5月、ユールゴーデン島に音楽の殿堂ともいえるミュージアムが新しくオープン。70年代から80年代にかけて「ダンシング・クイーン」などのヒットを飛ばし、大活躍したスウェーデンのスーパーグループABBA〈アバ〉の短けらばおみやげさABBAミュージアム〈ABBA THE MUSEUM〉です!
記念ミュージアムではABBAがステージで着た衣装や楽器、彼らが曲作りをしていたスタジオや楽屋、オフィスなどを見学することができます。ヴァーチャルステージでは、なんとABBAのメンバーとして一緒に歌ったり踊ったりできるのだとか!ABBAや「マンマ・ミーア」のファンなら、ぜひとも訪れたいスポット。

人気のレストラン Oaxen Krog & Slip〈オアクセン・クローグ & スリープ〉にも魅かれます。もともとアーキペラゴのオアクセン島〈Oaxen〉にあった有名レストランがユールゴーデン島にオープンしたとのことで、ランチを食べに行ってみたのですが……満員で入れませんでした!(涙)
場所は遊園地グレーナ・ルンドから東に歩いて数分。美味しいと評判なので、次こそはぜひ行ってみたい!


ユールゴーデン島は、できればたっぷり時間とって観光したい。1日あっても足りない島めぐり。
もし滞在時間が短い旅なら、ローゼンダール・ガーデンでランチして、スカンセンの(入場口前にある)スカンセン・ブティーケン〈SKANSENBUTIKEN〉でおみやげ探しがおすすめ!

Djurgården

Stockholm|Sweden

ユールゴーデン島

アクセス
ストックホルム地下鉄中央駅〈T-Centralen〉の
トラム乗り場や
王立公園〈Kungsträdgården〉から
7番トラムに乗って約15分〜20分。

スカンセン
www.skansen.se

北方民族博物館
www.nordiskamuseet.se

ヴァーサ号博物館
www.vasamuseet.se

Rosendals Trädgård

ローゼンダール・ガーデン

都会のオアシス
ローゼンダール・トレードゴード


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