København & DDC

コペンハーゲン中央駅とDDC

コペンハーゲン中央駅〈København H / Copenhagen Central Station〉を一歩外へ出ると、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが愛した、おとぎの国の旅がはじまります。
中世ヨーロッパの雰囲気が漂うコペンハーゲンの街並み。チボリ公園やアンデルセンの像、市庁舎やラディソンSASブルーロイヤルホテル、ダンスク・デザイン・センターにスーパーマーケット・イヤマ」など、ガイドブックに載っていた人気の観光スポットがいっぱい! 到着したその日に、歩行者天国ストロイエを通って、ニューハウンまでだって歩けます。
時差ボケもなんのその。歩を進めれば進めるほど、クラシックとモダンが織りなす、深く、美しい、この街が好きになる。

2010  Photo & Text_Scandinavian fika.

København & DDC

コペンハーゲン中央駅

デンマークの首都コペンハーゲンは、シェラン島の北東部に位置する都市で、"商人の港"という意味。カストラップ空港から列車に乗って3つ目の駅で下車、13分でコペンハーゲン中央駅〈København H / Copenhagen Central Station〉に到着。
赤レンガ造りのコペンハーゲン中央駅はアーチと高い天井、シャンデリアのような明かりがとても印象的な駅の構内。
現地では、英語名のコペンハーゲン〈Copenhagen〉ではなく、デンマーク語のコベンハヴン〈København〉で表記されていることが多いです。
それからコペンハーゲンの駅のホームには改札がありません。乗車チケットを買うのを忘れずに!時刻表は見やすくて、デンマーク国鉄〈DSB〉の近郊列車エストー〈S-tog〉や郊外列車〈Re〉(Regionaltog/レジョナルトー)にも迷わず乗れました。

中央駅を一歩出ると目の前にチボリ公園〈Tivoli〉があって、白いベーカリー〈ANDERSEN〉があります。そう、あの日本のパン屋さん「アンデルセン」です! もともとデンマークのデニッシュペストリーのおいしさに感動してはじめたパン屋さん。今はデンマーク人が、日本のパン職人がつくるデニッシュを楽しみに食べに来るだなんて。なんだか微笑ましい話。

ツーリスト・インフォメーション

ラディソンSASブルーロイヤルホテル〈Radisson Blu Royal Hotel〉の前にあるコペンハーゲン・ツーリスト・インフォメーション(観光案内所)。中央駅やチボリ公園からも歩いてすぐ。市内観光に出る前に、電車やバス、美術館などが無料になる、とってもお得なコペンハーゲンカードをここで購入。シティマップや路線図、パンフレットなども充実していて、必要なアイテムはほとんど入手することができます。

観光案内所の中にイートインできる人気のベーカリー ラウケーフーセット〈Lagkagehuset〉 があるので、朝食をとりながら9時のオープンを待つ観光客もいました。
レンタサイクルのシティバイクもここにあります。ただ、コペンハーゲンの自転車はかなりのスピード。ビュンビュン飛ばします! ペダルを逆回転させる慣れないフットブレーキの運転にも気をつけて!

【追記】メトロ M3ライン・シティリング

2019年秋、コペンハーゲンの地下鉄 M3ライン Cityringen(シティリング)が全面開通しました。コペンハーゲンを環状に走る新メトロ・M3ラインは市内観光にとっても便利(※M4ラインは2020年現在工事中です)

・コペンハーゲン地下鉄の路線図

パンケーキのまち

"パンケーキ"のように平らでなだらかな街、コペンハーゲンで大活躍するのが、そう、自転車! デンマークは、ドイツやオランダと並ぶ自転車大国。コペンの街を歩くと、ビュンビューンとものすごいスピードで自転車通勤・通学している人をたくさん見かけます。なんでも、ここには300kmに及ぶ自転車専用道路があって、『グリーンウェイブ』という仕組みで、自転車通勤中に赤信号で止ることがないような工夫を凝らしているとか。
デンマークで車は贅沢品。国産車がないので輸入車の関税が高いだけでなく、消費税が180%もかかるそう。だから、安くてエコな自転車に乗りやすいシステムを国がつくっているのです。自転車に乗った距離で税金が控除されるそうで、乗れば乗るほど税金が減っていくという発想が面白い! 電車にも自転車専用車両があって、自転車を乗せて移動ができます。

観光客におすすめなのが、レンタサイクルのシティバイク。デポジット制で返却時にお金が返ってくるので無料です。
それから、デンマーク生まれのカーゴバイク「クリスチャニアバイク」。かわいい荷台に子供たちやワンちゃんを乗せて、家族でサイクリングしている光景が愛らしかったです。

市庁舎の塔

街のランドマーク、コペンハーゲン市庁舎〈København Rådhuset〉。1905年に完成した赤レンガ造りの6代目の市庁舎は、中世デンマーク様式と北イタリアのルネッサンス様式を取り入れた威風堂々たる建物。ミッシェル・デ・クラーク設計の尖塔は高さ105.6m。塔からの眺めは絶景だとか。街の景観を損なわないために、市庁舎の塔より高い建物を建てはいけないという条例があるそうです。そういえば、ラディソンSASロイヤルホテルくらいしかビルディングがない。
コペンの美しい街並みは、時代を超えてもしっかりと守られています。

市庁舎入口の右側には、世界の時刻と天体の動きがわかるイェンス・オルセンの天文時計〈Jens Olsens Verdensur〉があります。300年間に0.4秒しか誤差が生じないという精巧さで今も時を刻み続ける、すごい時計。ガイドツアーに参加すると見ることができます。

市庁舎はつねに観光客でいっぱいで、ガイドツアーも人気。チボリ前のアンデルセンの像の写真撮影も順番待ちでした。
歩行者天国ストロイエ〈Strøget〉の入口にもなっている市庁舎前広場には、名物のホットドックの屋台がいくつも出ています。フランスパンの真ん中に穴が空いていて、そこにたっぷりのケチャップとマスタード、そして、びよ〜んと長いウインナーが入ります。パンから飛び出すウインナーのかわいらしさ。物価の高いデンマークで、気軽に食べられるファーストフード。味もGood!

パッピー・ウェディング

市庁舎を見学したとき、結婚式を挙げているカップルを見かけました。大勢の観光客が行き交うため、記念写真のシャッターをなかなか切れない友人たち。困った様子もなく、笑顔でよりそう二人。なんとも幸せなオーラにつつまれていました。素敵な建物の市庁舎は人気の結婚式場だとか。
日本から北欧旅行にいくカップルは、新婚旅行が多いと聞きます。ハネムーンで、デンマークやスウェーデンやノルウェー、そしてフィンランドを見てまわれるなんて、本当にうらやましい!
北欧には暮らしの中に小さな幸せがちりばめられていて、ひとつひとつ、それを見つける楽しみがあります。新婚ほやほやの夫婦が、明るく豊かな暮らしを思い描ける北欧時間。パッピー・ウェディングの記念にぜひ。心からおすすめします。

Dansk Design Center

ダニッシュデザインの未来

チボリ公園の向かいの大通りに面したモダンなガラス張りの建物、ダンスク・デザイン・センター〈Dansk Design Center/DDC〉。 「ダンスク」とは「デンマーク」のこと。訪れた2010年の夏は、「10+ Design Forecast」というエキシビジョンを開催していました。
DDCの1Fと2Fのフロアでは、インテリア、ファッション、グラフィックなど、様々なジャンルのエキシビジョンが展開されています。「10+ Design Forecast」展では、作品を展示する壁やテーブルなどがすべてイエローで統一されていました。 未来に明るい光が差し込むような、そんなイメージ。
21世紀になってからのデンマークデザインの10年は、めざましい技術の進歩とともに、新しい方向性を示してきたようです。デジタルによるイノベーションは、新しいデザインの流れとなって、より機能的で直感的なカタチへと進化しているとか。デンマークの新鋭クリエイターたちは、かつてのヤコブセンやウェグナーと同じように、伝統的なものづくりの方法にとらわれず、つねに未来を見据え、機械やテクノロジーの可能性にかける勇気を持っています。

レゴであそぼう

ガラス張りの1Fのメインフロアには、デンマークを代表する巨大なレゴブロックのオブジェが! レゴ (LEGO) は大好き。子供の頃は、親にあんまりおもちゃを買ってもらえなかったので、レゴブロックを組み合わせて、いろんなものをつくって遊びました。あれは、すごく頭の体操になるのです。もし、おうちに小さな男の子がいるなら、クリスマスにはレゴをプレゼントしましょう。きっと、想像力豊かな子に育つはず。
デンマーク語で「よく遊べ」を意味する「LEGO」。四角い小さなブロックを積み重ねるだけで、大きなデザインが生まれることもあるです。

ペンダントライトが放つ光

1Fのショップとカフェが併設された吹き抜けのロビーには、モノトーンのインテリア。天井からは、光の輪が幾重にも重なったようなペンダントライト、ルイス・ポールセン〈Louis Poulsen〉のエニグマ〈ENIGMA〉が! 日本人の照明デザイナー内山章一さんの作品で、『宙に漂う美しい光のウイング』というコンセプトでデザインされたペンダントライト。
インテリアデザインの王国デンマークで、日本人が光を放っているのが誇らしかったです。 展示のテーマごとに内装が変わるというカフェで、ティータイムにもいいかも。ショップもDDCでしか販売していないデザイングッズが充実しています。
中央駅から歩いてすぐなので、タイトなスケジュールの観光にもおすすめのスポットです。

北欧はエディトリアルデザインもかっこいい。ポスターもパンフレットも、DDCのチケットだって捨てられないほどのグッドデザイン。スカンジナビアンフォントの持つ柔らかくて洗練されたプロポーションと、北欧独特の色彩がたまりません。
デザイン関連の書籍が平積みされたロビーのブックコーナーで、DDCが出版している「ハンス・J・ウェグナー」のデザインブックを見つけました。買おうかどうしようか、さんざん迷ったあげく、旅行最終日に駆け込み購入!今では大切な宝物です。

Copenhagen Central Station

Copenhagen|Denmark

コペンハーゲン

アクセス
カストラップ国際空港から
コペンハーゲン中央駅までは
デンマーク国鉄〈DSB〉に乗って
北西へ約13分。

Visit Copenhagen
visitcopenhagen.com

Dansk Design Center
danskdesigncenter.dk

TIVOLI

アンデルセンと
チボリ公園

童話の中から飛び出した
世界最古のテーマパーク
チボリ公園


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